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台湾留学体験記その2台湾留学を決めるまで

※ この記事は旧サイトで公開していたものを修正して再掲載しています。
(初掲載2015年12月7日、リニューアル掲載2021年5月23日)

やはり現地に行かねば・・・

仕事の傍ら独学で勉強を続けているうちに、まだまだビジネスで使うレベルではないものの、少しずつ中国語を習得しているという実感が伴ってきました。しかし同時に、仕事の傍らでの独学に限界を感じてきました。

仕事上も生活上も全く中国語を使う必要がない状況ですので、中国語で考えて中国語でコミュニケーションをとるという経験が圧倒的に不足していました。また、言葉を話せるようになったからといって自動的に仕事ができるようになるわけでもなく、もし中国語を使って仕事をするのであれば、相応の基盤、つまりは、知識、経験、人脈といった目に見えないものの集積が必要で、そのためにはやはり現地に長期滞在することが不可欠でした。

ちょうど弁護士登録後5、6年が経ち、同年代の弁護士たちが海外に留学に行って、留学経験を活かして仕事をするケースも見聞きするようになりました。私自身も、留学に行きたいという思いが徐々に強くなってきました。

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台北の街並み(八徳路電気街)

留学の準備を始める

ところで、弁護士の業務というものは、顧客との間の信頼関係に基づいて一件一件手作業で組み立てて処理しており、かつ、一つの案件を処理するのに何ヶ月も、場合によっては何年もかかることが通常です。したがって、留学に行くにしても、周囲の了解を得て入念な準備を行う必要があります。

そこで、私は、まず所属事務所のボスに相談して留学に行く方針について了解を得た上で、2014年夏から台湾に留学に行くことを目指して、前年の終わりころにから少しずつ準備を始めました(今にして思えば、準備はもう少し早く、できれば1年間くらいかけてじっくり入念に行うべきでした)。留学に行くまでの準備としては、細々とした事務手続きも含めて様々な項目がありますので、その内容については別のところで述べたいと思います。

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国家戯劇院

なぜ、留学先として台湾を選んだのか

留学先に台湾(台北)を選んだ理由ですが、私は家族を置いて単身で行くことは考えていませんでしたので、留学先の選定に当たっては家族の意思や生活環境というものが重要な要素でした。この点、台北は、家族旅行で訪れて皆が気に入っており、かつ、政情不安もなく安定した生活環境が得られるということで、家族連れで行くには一番良い場所でした。また、現地に滞在経験のある知人や、現にそちらに居住している知人(台湾人、日本人)が何人かいて、何かと頼るあてがあるというのも大きかったです。実際、留学中は多くの人に助けてもらって何とか事故なく過ごせましたので、縁故があるというのは本当にありがたいことです。

一方、弁護士業務との関係でも、台湾は留学先として魅力的に思えました。従来からの日本と台湾の経済面、文化面での関係の深さは言うまでもありません。しかし、中国大陸に留学する日本人弁護士が増えてきている一方で、台湾に留学する弁護士はほとんどおらず、それゆえ、弁護士として台湾に留学すれば、台湾での経験に希少価値が産まれる可能性があると考えました。台湾に留学に行くという話をすると、ちょっと不思議そうに「珍しいね」と返されることがありましたが、珍しいからこそ敢えて行くことに価値があるとも言えるのではないでしょうか。

このようにして、私は、具体的な台湾留学の目標を立てて準備に入りました。この後、留学準備に苦しむことになりました。(続く)

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