• 世界弁護士大会(in広州)の報告:1日目

    12月9日と10日に広州で開催された世界弁護士大会(世界律师大会/Global Lawyers Forum)に参加してきました。

    各国の弁護士が集まる国際会議はいくつかありますが、この世界弁護士大会は中国主導で新しく始まったもの。記念すべき初回大会が広州で開催されるということで、懇意にしている広州の法律事務所から招待をいただき、参加して参りました。私自身、こういった国際会議に出席するのは、2017年のLAWASIA東京大会以来2年ぶりになります。

    初日は、開幕式に続いて、リーガルテック(Legal Tech)に関する分科会の発表を聞きました。発表そのものはもちろん、そこに参加している各国の弁護士との情報交換が大変刺激的でした。以下は中国の話ですが、例えば、

    ・裁判書面の電子化は既に当然のものとなり、今はAIによる争点抽出や判決予測の正確性を競っている
    ・法律事務所だけでなく裁判所もそのようなシステムを採用して実用している(最終的には人の目でのチェックが必要だが、システムを使うことで労力を圧倒的に削減できる)
    ・各弁護士や裁判官ごとの訴訟進行や判決の傾向を分析するシステムも実用化されている(名前検索すれば関与した訴訟の一覧と傾向が出てくる)

    などと驚きの内容でした。弁護士以外の方にはピンと来ないかもしれませんが、日本ではようやく裁判所面の電子化についての「議論」が始まったところで、現実化までにはあと何年もかかる見込みです。中国は既に何歩も先を行っているわけです。

    夜の食事会の後、会場を出て広州の法律事務所を訪問しました。そこで最新の弁護士業務用システムを見せてもらったのですが、これがまた物凄く、

    ・弁護士が作成したファイルは直接クラウドサーバーに保存するのではなく、所内の事件管理システムを通じてそのシステムのクラウドサーバーに保管する
    ・上記の方法により、事件管理とファイル管理を一体化している
    ・スケジュール管理、会議室予約も一体化している
    ・さらに同一のシステム内で判例検索や法人情報検索、ニュース検索も実行できる(判例情報も法人情報も名寄せ検索可能)
    ・スマホのアプリから全ての機能を実行可能

    というものでした。日本でも各社が同様の弁護士業務用のシステムの開発を競っていますが、その最終形をいきなり目にしてしまったという印象です。

    諸外国の状況を聞いた限りでは、日本はリーガルテック分野では決して遅れをとっているわけではなさそうでしたが(むしろ欧州各国等と比べると日本の方が進んでいるようにも思いましたが)、中国における研究開発・実用化の規模とスピードを目の当たりにしてしまうと、一個人の立場でありながらも焦燥感、危機感といったものを感じざるを得ませんでした。

    2日目に続きます)