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    台湾留学体験記その7
    日常生活

    今回は、学校や法律事務所研修を離れて、台湾での日常生活にクローズアップしたいと思います。

    以前の記事で述べたとおり、私は、台湾では大学、仕事、家事育児の三つに四苦八苦していましたが、家族にはさらに大きな苦労を強いてしまっていました。妻は、中国語を全く話すことができない上に、第二子の妊娠初期の段階で台湾に渡り、体調が安定しない中で異国の地での生活に飛び込むことになりました。街中を歩いていて不意に漂ってくる煮玉子や(筆者注:台湾のコンビニでは「茶葉蛋」という煮玉子が売っており、独特の匂いを放っています)臭豆腐(筆者注:屋台の定番である、豆腐を腐らせた料理)の匂いで吐き気に襲われたり、家の中ではどこからともなく侵入してくる蟻や蚊の大群との格闘に時間を費やしたりして、毎日のように日本に帰りたいと言っていました。長男は元来物怖じしない性格なのですが、さすがに外国に来て新しい環境に馴染むのには苦労していました。

    その反面、日本にいたころよりも家族で過ごす時間は増えましたので、自然と一致団結して苦境を乗り越えようという雰囲気になり、家族の絆は深まりました。せっかく家族で海外に来たのだから「楽しまなくちゃ損!」というのをキーワードにして、何事も前向きに捉えることができるように家族で励まし合いました。

    時の力は偉大でして、そのようにして一日一日を乗り切っているうちに、皆、徐々に台湾での生活に慣れてきました。私は淡々と日々を乗り切るコツのようなものをつかみ、妻はつわりが収まって体調が安定し、長男もすっかり台湾に馴染み、生活が安定してきました。家族皆で地元の美味しいお店を探したり、観光スポットにでかけたりと、レジャーを楽しむ余裕もでてきました。

    帰国するころには、皆、すっかり台湾での生活が気に入り、あれほど日本に帰りたいと言っていた妻も「台湾に残って子育てをしたい」と言い出すほどでした。以下、各方面についてご紹介します。

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    台北日本人学校の名物、夏祭り

    <食事>

    魯肉飯、小籠包、牛肉麺、胡椒餅、麺線・・・日本人にとって、台湾の料理は美味しいものばかりです。台湾には日本のような「知る人ぞ知る隠れた名店」というところはほとんど無く、美味しいところには行列が絶えず、そうではないところは閑古鳥が鳴いていますので、とりあえず人が沢山入っているお店に入っておけばハズレはありません。豚耳や羊肉鍋など、日本ではあまり食べる機会のない料理もありますので、私たち家族は、駐在ネットワークの口コミを頼りに付近のお店に行って、食べることができるものの範囲を少しずつ広げて行きました。妻は最初、豚耳が皿に盛られて出てきても手を付けようとしませんでしたが、最終的には大好物になっていました。

    <気候>

    台北の気候は日本で言うと沖縄本島に近いと思います。8月から9月にかけては台北でも一年で最も暑い時期で、気温は数字の上では東京とそれほど大差ないのですが、日差しが日本よりも遥かに強く、肌を突き刺すような強さでした。日差しが強い分、日中は必要がない限りはなるべく室内でクーラーに当たっているのが普通であり、住宅街などでは日中はほとんど外に出歩いている人は見かけません。日が落ちて涼しくなってくると、皆、待ちわびていたと言わんばかりに外に出てきて、街中の露店や公園に集まって体を動かしたり井戸端会議に興じます。

    一方、冬場、特に1月下旬から3月頭にかけての最も寒い時期には、気温が10度以下になることもあります。台湾では室内にクーラーが設置してあるだけでヒーターやエアコンはありませんので、冬場の寒い時期も暖房器具無しで乗り切るしかありません。そこで、この時期には室内でも上着を着たままでいます。

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    家族でよく通った区民プール

    <交通>

    台北市内には地下鉄の路線網が張り巡らされ、それを補うようにバスが走っています。タクシーも日本に比べると格安で、ぼったくりの不良ドライバーもほとんどいませんので、交通に関しては全く不便はありません。台北、新竹、台中、台南、高雄といった主要都市をつなぐ高速鉄道も走っており、日本の新幹線と同じ車両、同じシステムが用いられています。

    私が住んでいたマンションは、台北市の中心部からはかなり離れていて、しかも最寄りの電車の駅までバスで15分ほどかかる場所にありましたので、私は、バスと電車を乗り継いで片道1時間ほどかけて大学に通っていました。一人で台北に来ている留学生や駐在員は、大学や職場近くに住んでいる人が多く、羨ましく思うこともありましたが、反面、長い移動時間が良い勉強時間になり、また、時折途中下車して知らない街を散策したりする楽しみもあって、慣れてくると移動そのものを楽しめるようになりました。

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    台湾新幹線「高鐵」

    <習俗>

    台湾人にはフレンドリーな人が多く、コミュニケーションの垣根が日本人よりもずっと低いです。良い意味でのおせっかいと言いましょうか、電車に乗ると必ず子どもに席を譲ってくれ、街中で子どもが泣いているとどこからともなく人が集まってきて皆であやしてくれます。子育てをしている親にとっては非常に過ごしやすい環境です。サービスや物の品質という面では若干物足りない点もありますが、日本のように常に他人の目を気にして距離感を保つ必要は全く無く、日常生活においてストレスを感じる場面が少ないので、私も含めて、日本よりも暮らしやすいと感じる人が多いようです。(続く)

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